正覚山 福成寺

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秋季堺文化財特別公開:福成寺一般公開11月3日(土)・4日(日)・10日(土)・11日(日)

2018年10月25日

毎年堺市が春と秋に開催している文化財特別公開ですが、今年は初めて福成寺も一般公開致します。

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一般公開するのは、御本尊である『清凉寺式釈迦如来立像』と『八相涅槃図』になります。
『清凉寺式釈迦如来立像』と『八相涅槃図』の説明を下記詳述いたします。

【清凉寺式釈迦如来立像】
当寺の御本尊釈迦如来立像がなぜ清涼寺式と付くのかと申しますと、京都嵯峨にある清涼寺の釈迦像に由来があるからです。京都嵯峨の清涼寺にある釈迦像は、東大寺の僧奝然(ちょうねん)上人によって中国の宋から日本にもたらされたもので、インド~中国~日本に伝わったことから三国伝来の仏として多くの信仰を集め、現在は国宝に指定されています。この三国伝来の釈迦像に対する信仰の高まりと共に、平安時代後期から模刻が始まり、鎌倉時代には隆盛期を迎えました。この模刻された釈迦像を清凉寺式釈迦像といい、その特色に縄目渦巻状の髪部、通肩でしかも胸を中心とする同心円状の衣文、二段の裳裾、施無畏与願の印相があります。福成寺の本尊も、この要件を満たしています。施無畏与願の印相とは、右手を上げ手を開いて手のひらをこちら側に見せる形で、説法を聞く人の緊張を和らげ「畏れなくても良い」と優しく語りかけている「施無畏印」、左手をたらして手のひらを開きこちら側に見せる形で、人々のさまざまな願いを聞き入れ、それを叶えることを示す「与願印」のことです。福成寺の御釈迦様は約500年間もの間、福成寺の厨子内に安置され、これまで多くの方々から信仰され大事にされてきました。そして、これからも穏やかで温和なお顔で多くの方々の願いを聞き入れて下さることでしょう。本像は堺市内唯一の清凉寺式釈迦如来立像として歴史的にも文化的にも大変貴重な尊像です。

【八相涅槃図】
八相涅槃図とは、お釈迦様が入滅される光景を描いたものです。八相涅槃図には大略して二形式あります。いずれも御釈迦様の涅槃図を中心とし、周囲に涅槃に至るまでの事蹟を配するものと、涅槃前後の事蹟を配するもので、本図は後者に属します。本図は鎌倉時代に製作された京都市万寿寺の常用文化財である涅槃図と事蹟の配置が一致し、図様も似ています。しかし、各場面は他と明確に区別され、画面全体が綺麗に整理されています。涅槃図の軸木に墨書名が発見され、それによると、永正十二年(1515年)七月八日に紀三井寺瀧本坊において南都住人荼三郎なる者が製作したと記録されています。荼三郎については、鎌倉時代から室町時代にかけて活躍した奈良の仏教絵師集団である南都絵所に所属した絵師であろうと考えられています。また本図の箱所によると、現在の箱は延宝二年(1674年)に堺の北樽屋町次兵衛など4名の寄進とあり、延宝二年までに福成寺に移入されたものです。大きさは229.4cm×213.8cmの大涅槃図であり、本堂の天井から下まであります。本図は、現在のところ堺市内最古で最大の八相涅槃図であり、制作年月日及び伝来が知られる大変貴重な涅槃図になります。

前回一般公開したのは、昭和60年の特別企画展『堺の仏像仏画展』であり、実に30年以上一般公開はしておりません。
次回もいつ一般公開出来るのか分かりませんので、これを機に是非皆様でお越し下さい。

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