修正会厳修~詩人金子みすゞさんに想うこと~
2020年1月7日
明けましておめでとうございます。お陰様で、今年も無事に皆様と共に修正会を厳修する事ができ、新年を迎えることができた事に感謝しております。今年も何卒よろしくお願い申しあげます。
修正会にお越しいただいた方には、今年の目標と願い事を散華に書いて頂きました。仏様は常に私達の事を思い、様々な苦悩を受けたときに、即時にその声を聞いて、手を差し伸べて下さいます。その心は常に慈悲深く、救済の心を持ってくださっています。その慈悲の心を詩人の金子みすゞさんは「ゆめ売り」という詩に込めました。
『ゆめ売り』 金子みすゞ
年のはじめに ゆめ売りは、よい初夢を売りにくる。たからの船に 山のよう、よい初夢をつんでくる。
そしてやさしい ゆめ売りは、ゆめの買えない うら町の、さびしい子らの ところへも、だまって 夢を おいてゆく
この「ゆめ売り」の詩は、よい夢を全ての人に与えたいと思う人の願いです。特に、肉親の愛情に恵まれていない子供たちや、不遇な境遇に置かれている人々を「うら町の、さびしい子ら」にと表現しています。そのような人々へも今年は良い一年になりますようにと、こっそり良い夢を置いてゆこうとします。そこにあるのは、皆に幸せになって欲しいと願う純粋な気持ちだけです。その心を慈悲の心と呼びます。山のように積んだ「やさしさ」を全ての人に配って歩く人こそ仏様です。私達も出来るなら、仏様に習い貰うより配って歩く人になりたいものです。
皆様の今年の願い事や目標が叶いますように願っています。そして、書いて頂きました散華は、御本尊の前に奉納致しました。皆様にとって幸多き一年になりますように。